CAのマスターの思い出の場所 長楽館
- 2013.11.12 Tuesday
- 11:23
ずいぶん昔のことなのでうろ覚えではあるが、度々訪れる「CA」でマスターにぽつりぽつりと話かけていただいた。
これも、そんなある日の「CA」での会話なんだろうと思う。
「京都にある長楽館て知ってる?」そんな風にふいに聞かれた。知らなかったので「知らないです。」と答えると、
「そこはね、僕と奥さんの思い出の場所なの。とっても素敵なところでね、一緒にダンスを踊ったんだよ。
本当に素敵なところだから行ってみてごらん。」そんな会話だったと思う。
その時から私の心の中に「京都の長楽館・素敵なところ」と刻まれた。
それから数ヶ月だったか、何年か経ってからかそこのところの時間の経過は覚えていないが、
「長楽館へ行くために京都に行きたい」と友人を誘った。この友人は喫茶店や私の趣向、そして私などに全く興味を持っていない
そういうスタンスの親友だったのだが、長楽館に着くと、そのレトロでロマン溢れる佇まいに感心していた。
私はここでマスターと奥さんがダンスを踊っているところを想像した。そんなに広くない店内(カフェ)だったが、
若かりし頃のマスターとたぶんかわいらしい奥さんが手を取り合って楽しそうにダンスをしていただろう光景が
目に浮かんで、嬉しくなった。この日は盛況で処狭しと並べられたテーブルと椅子はお客さんで埋め尽くされていたが、
私の目にはマスターと見たことのない奥さんしか映っていなかった。
今思えば、マスターの指す長楽館がこの長楽館カフェかどうか・・現在のホテルの部分かもしれないのだけれど。
マスターの思い出の場所であることも手伝って去り難く、しばらく庭などを堪能し、控えめに何枚か写真を撮った。
「長楽館に行きました!」そんな報告をマスターにしたかったけど、「CA」はその頃すでに閉店してしまっていた。
私にとっても思い出深い場所となった長楽館のマッチ箱は、今も私の宝物。
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